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コラム

バブルについて考える

6月12日の午後に、スパークス・アセット・マネジメント株式会社からファンドマネージャーの平野哲也氏、望月康平氏を招いて、「スパークス&ユニオン投信セミナー」をリモートにて開催しました。
当日は、ユニオンファンドが投資しているスパークスファンドのご紹介や、ユニオンファンド運用責任者の久保田とのパネルディスカッションなどが行われ、その後の質疑応答ではたくさんの質問が出され、セミナー終了予定を30分も超える4時間のセミナーとなりました。
非常にたくさんの方にご参加いただきましたが、スパークスのお二人から「長時間のセミナーにもかかわらず最後までこれほど多くの方が残ってくださったのは初めてだった」とおっしゃっていただくほど、盛り上がったセミナーとなりました。

今はバブルなのか?

後半のパネルディスカッションの中で、「今はバブルなのか?」という話題がありました。
スパークスの平野さんからは、「現在の企業収益と株価の関係をみると、一部のエリアを除いて極めて合理的で冷静な値付けがされているので、全体としてはバブルだとは思っていない」ものの、「電気自動車やAI、一部の代替肉などのブームにより、常識的に考えてバブルに近い状況の銘柄もある」とのご意見がありました。
弊社の久保田からは、「アメリカにおいては、過去にバブルと言われた相場が崩壊する寸前の時期に見られた指標に似ている状況を、これほど見るのは近年では久しぶりで、バブル的」であり、「資金の出入り、投資家の心理状態、株価と業績との割合などで、割安と思える指標は無い状態になっており、アメリカ株はバブルでなくても今後は上がりにくいのではないか」と考えているとのことでしたが、「似ているから同じになるとは言えないのが経済なので、注意深く見守っていく」とのコメントがありました。
お二人ともに、アメリカの一部の企業はバブル的状況になっているとの認識でしたが、最終的には「バブルは後になってからでないと判らない」との意見も一致していました。
  • スパークス・アセット・マネジメント株式会社 ファンドマネージャー 平野 哲也 氏(左)、望月 康平 氏(右)

バブルがもたらす別の一面

バブル期には、株価がファンダメンタルズからかけ離れ、適正な水準を大幅に上回る状況になります。
英語で「泡」を意味するバブルは、その言葉のごとく中身がないのに膨張(実際の泡は空気が入って膨らむのですが)し、やがて破裂してなくなってしまいます。同様に株式市場のバブルも、行き過ぎた上昇の後には泡がはじけるように急落し、「バブル崩壊」と言われる状態に陥ります。
これにより、経済も企業も、そして投資家も大きな痛手を負ってしまいます。そこから立ち直るのに、何年もの時間がかかったことも過去には何度もあります。

そんな怖いバブルではありますが、平野さんからは経済におけるバブルの別の一面についてのお話がありました。
それは、バブルによって一部の産業や企業に非常に大きな資金が投入されることにより、その産業や企業における革新が早まり、結果として「世の中全体の革新がスピードアップできるという観点で言うなら、バブルは長期では世の中のプラスになる」(平野さん)というものです。
ITバブルの時にも、情報通信技術関連の企業に資金が集まり、たくさんのITベンチャー企業が生まれました。その後、パソコンやネットワーク関連技術は大幅に進展して世の中に定着し、アメリカでは多くのIT企業がアメリカ経済そして世界経済を牽引する大企業になっています。
他方で、『根拠なき熱狂』(1996年に当時の米連邦準備制度理事会アラン・グリーンスパン議長が演説で使用)による裏付けのないIT関連企業の株価急騰は、一部企業の事業の失敗や不正会計を招き、株価の大幅下落の背景ともなりました。
  • ユニオン投信株式会社 運用責任者 久保田 徹郎(左)、赤津 正(右)

長期つみたて投資にとって、バブルは悪とは言えない

現在の電気自動車やAI企業への資金の流れは過熱といえるほどだと感じます。ただ、それらの事業や企業に流れている巨大な資金が改革のスピードアップをもたらしていることも、私たちは実感しています。それがバブルなのかどうかは後にならないと判りませんし、もしバブルだとしても、今後弾けてしまうのか、それとも調整と均衡をうまく計りながら弾けずに成長していくのかも予想できません。
しかし、毎月定期定額で購入しながら、長期的な世界経済の成長とその一翼を担う企業の成長が投資の成果だと考えて保有し続ける『長期つみたて“ほったらかし”投資』を行うのであれば、バブルは悪い事だとは言い切れません。バブルが弾けて株価が大きく下落したとしても、そこは「安くたくさん買える」追加買いの好機となりますし、バブルによって世の中の改革がスピードアップするなら、長期的には世界経済の成長も早まり投資の成果も大きくなります。
バブルかどうかを必要以上に恐れることなく、これまで通り淡々と買い続けていけば良いのだと思います。
(赤津 正)
  • このコラムは、掲載時点での意見・見通し等であり、将来の運用成果や市場環境等の変動を保証するものではなく、将来予告なしに変更することがあります。
  • 金融商品等への投資は、その価格の変動等により損失を生じることがあります。
  • 金融商品等ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、目論見書等をよくお読みいただき、ご自身でご判断ください。
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